ホテルマンを題材にした映画やドラマを観て、華やかな世界で働いているホテルマンに憧れを抱き、念願のベルガールのアルバイトに採用いただきました。

ベルガールの仕事は、基本的には正面玄関でのお出迎え・タクシー配車業務・各種案内・宅急便の手配・クローク等になります。

常にホテル内を駆け回っており、宴会やブライダル等、各部署で人手が足りない時は、その仕事のヘルプにも行っていました。このように、学生でありながら、各部署のホテルマンの方達と接する機会があり、とても刺激的で楽しい日々を過ごすことができました。

ただ、いわば「ホテルの何でも屋」みたいなところがあり、フロントから指示があれば、客室のベッドメイキングや館内の電球交換も行う等、本当に業務が多岐に渡っており、そのために色々な場面で、お客様の理不尽なお怒りを受ける事がありました。

それが何度か続くと、「私は悪くないのに、何で怒られないといけないのか」という思いから、半年ほどでバイトを辞めたいと思うようになりました。

お客様の理不尽なお怒りとは、例えば、駐車場に居るお客様からフロントに電話があると、フロントからの指示で私が駐車場に状況を確認しにいきます。

すると、駐車場の出口の機械の調子が悪く、駐車利用券を入れることができないため、出庫できないとのことで、ずいぶん激怒されていました。

その場ではお客様に謝罪しますが、学生で未熟な私は、「私自身は何も悪くないのに、機械を管理する人が悪いのに」と気分が悪くなり、落ち込むことが多々ありました。

そんな時にふと、同じ状況で、社員として働く先輩の姿を見る機会がありました。彼は、本当に心から謝罪して、その誠意がお客様にも伝わったのか、最終的にお客様も笑顔になって帰って行かれる姿を目にしたのです。

その時に、「お客様にとって、文句を言うのはホテルの誰であっても一緒なんだ。私はホテルの代表としてお客様の意見を聞かなくてはいけない。」と気付きました。

それに気付いてからというもの、その気持ちを持って仕事に取り組むと、例え理不尽な事で怒られても、私も誠意をもって気持ちよく対応することが出来るようになりました。

バイトといえども大変な事はたくさんあると思います。バイトだからこそ、許される事もあります。その許される時に、色々な事を経験するのはとても贅沢だと思います。

そして、社員の方達と一緒に仕事をして刺激を受けることが自分にとって良い経験となり、後々の社会人になった時にそれが役に立ちます。

私は何だかんだで学生時代ずっとこのバイトを続けました。するとまた、その継続できた事が、社会へ出ていく自信へと繋がりました。