私が高齢者のデイサービスでアルバイトをしようと思った理由は、大学を卒業しても何を自分の一生の生業としていくのか分からない状況で、いろいろなアルバイトをしながら、仕事を模索していたときに、知り合いから、「これからは介護の時代だよ」とアドバイスをもらい、それならば一度は福祉・介護の世界をのぞいてみようと思ったからです。

しかし、現実は厳しいものでした。そこは一般の住宅を開放して、高齢者のデイサービスのような事を行っていたのですが、施設が不足していたときに「ぜひ家を使ってやってほしい」と頼まれて始まった無認可の施設であったので、時給は最低賃金しかもらえませんでした。

それは「時給が低くても社会勉強も兼ねているのだから」ということで納得はしていました。

私が実際にその高齢者の施設のアルバイトを辞めたいと思った理由は、いくつか理由があるのですが、ひとつは高齢者介護の厳しさでした。

先述しましたが、そこは一般の社会福祉法人などが運営している高齢者施設では、なかなか受け入れてくれない高齢者、主に認知症の高齢者を預かっている施設であったので、まずお預かりしている高齢者からは一時も目を離せない状況でした。

もちろん職員もアルバイトの自分も休憩といった休憩はありません。そのなかで9時間労働(実働8時間)を行うのは精神的に休まることもなく、厳しいものでした。

それに加えて、実際に体験する高齢者の方の排泄の介護は、他人の汚物を処理するという人生で初めての体験であり、仕事とはいえ、かなりの抵抗がありました。なんどやっても慣れるという事はありませんでした。

また昼食の介護も、職員の人数が限られているので、食事を高齢者の方に味わって、楽しんでもらうというよりは、栄養の為にただ、ただ詰め込めばよいという感じで機械的に行われていたことが、自分としては抵抗を感じました。

結局、車いすからベッドへの乗り移る時や、排せつでトイレに座らせる介護などで、腰の方も痛めることになったし、自分自身が、高齢者の介護職の世界で求められるスピーディさや、臨機応変の対応を取ることが難しいのだなと思い、施設の長に相談して辞めることにしました。

わたし自身も、単に体験しようといった軽い気持ちが、心の何処かにあったのかもしれません。また仕事は厳しいもので、その中でも人を相手にする福祉・介護の仕事はより厳しく、難しい仕事であるという認識も薄かったと思います。

多少の迷惑はかけたかもしれませんが、働いている時に一生懸命やって、自分にどうしても合わないと思ったら、ある程度自由に、辞める事も考えられるのがアルバイトだと私は思っています。

しかしアルバイトから得られることも多いのは確かであり、「嫌ならやめればよい」といった安易な気持ちでは勤めるべきではないとも思います。求人する側は、求人するのにお金も時間もかかっているので、それは相手に対して非常に失礼に当たると思われます。

バイトを辞めたいと思い、真剣にそのアルバイトをやろうと決心して始めた方で、自分自身で、バイトの中で、どのようにしてか工夫しても「先がみえない」、「続けるのが厳しい」、などといった場合には、一度は上司に相談したうえで、仕方なく止めることは決して悪い事では無いと思います。

そのバイトの期間を決して無駄な時間にしないように、その時々を一生懸命生きてください。